熊本城の重文長塀の復旧工事が完工した。(13ある国の重文で最初)


国指定重要文化財の長塀修復が令和3年1月29日に完了した。長塀は平成28年の熊本地震により、一部が倒壊するなど全長にわたって被災したため、平成28年度に解体を行いました。熊本地震以前に戻すため、平成31年2月から復旧工事を行いました。工事期間は約2年間を要しました。熊本城には13の国指定重要文化財がありますが、長塀が一番目の重文復旧になります。塀の高さは2.4メールの木造塀です。白と黒の242mにも及ぶ長塀と桜がなかなかの風景であります。外堀の坪井川沿いからの景色は絵になります。長塀下のグリーンの芝生を早く歩けるようになるといいですが、まだ先かもしれません。

2015年の台風15号では西側約80メートルが傾き、熊本地震では東側80メートルが倒壊しました。長塀は直線的塀なので台風や地震等には弱いと言われています。下の画像は城の内側から撮ったものです。今度の復旧にあたってはステンレス製の筋違い材(斜めの部材)で補強した。この補強工事により、台風や地震等に耐える力が格段にアップしました。城内の控え石柱を近くで見ることはまだ出来ませんが、坪井川沿いからは復旧が進む熊本城を体感していただけると思います。

長塀がある「竹の丸」は清正公が藩主として入国したころは、大河の白川が流れていた。加藤時代に川を掘りとし、長塀の内側は竹之丸として熊本城を造成工事した。この周辺はもともとは大河で低かったので、17m盛土している。日本の城のなかでは国内最長級とされる長塀は内側から控え石柱で支えられている。石柱の68本のうち、40本は折れたがボルトでつなぐなどして修復した。屋根瓦には細川家の家紋九曜紋が刻まれている。約7割の木材や屋根瓦は元のものを再利用した。長塀は東西に242mの塀である。西側は馬具櫓の石垣と接している。馬具櫓の石垣も痛みがひどいがまだ手が付けられていない。長塀の解体作業を含む復旧工事費は約2億9400万円である。

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