熊本城の第二弾特別見学通路(空中回廊)が開通した


 令和2年6月1日より第二弾特別見学通路(南コース)から毎日、入城が出来るようになりました。地上約6mの高さの素晴らしい空中回廊が熊本城に完成しました。これまでとは違った高さ、角度、距離で、熊本城の天守閣や石垣を見ることが出来るようになりました。今しか見られない熊本城に是非お越しください。特別見学通路は全長350mで檜を使用しています。熊本のヒノキ材は良い香りがします総工事費は約17億円かかりました。熊本城を築城した加藤清正公も空中回廊のあまりの立派さに天国で驚いておられることでしょう


二様の石垣(高さ16m)の上に屋根部分が少し見えていますが、これが本丸御殿であります。本丸御殿は平成20年に54億円で完成しました。御殿は豪華絢爛で素晴らしい造りになっています。二様の石垣をご覧ください。右側の石垣が清正公時代の石垣と言われています。左側の石垣が傾きが急で細川時代のものと言われてきましたが、加藤忠広時代の築造という説もございます。ここから見える高石垣は3か所とも曲線を描いています。「武者返しの石垣」と言われています。また扇の勾配とも言われ、地震にも強いと言われてきました。大天守が見えていますが、この南の方角からは小天守は見えません。日本には多くのお城がありますが、熊本城は質実剛健な城になっています。是非、特別見学通路(空中回廊)から天守閣をご覧ください。水前寺清子が熊本地震後、「熊本城」を歌っています。残念ながら、全国的なヒット曲にはならなかったのですが、なかなか良い歌です。私は熊本城ガイドをしていますが、ここで「熊本城」をアカペラでうたいます。歌詞に流石、大地の揺るぎにも耐えたる石垣、武者がえし」とあります。


東側にある櫓群は国の重要文化財に指定されたもので、貴重な櫓です。建物の向こう側は20mぐらいの高石垣ですので、櫓が崩壊しないようにこちら側からロープで引っ張っています。ぐり石を沢山入れてありますが、これはじゃかご(ふとんかご)といいます。ぐり石は石垣の裏側に入っている石です。

ここは、本丸御殿の地下で、くらがり通路と言います。本丸御殿は平成20年に完成したと前述しました。54億の金額がかかっていますので、見応え、見るところがたくさんあります。くらがり通路もその一つです。上の写真を見て下さい。柱と柱の間が白く見えますが、藩主はここから階段を上って豪華絢爛の御殿に入って行かれました。石垣をご覧ください。本丸御殿の石垣だけは目地漆喰が施してあります。

「適材適所という四文字熟語」がありますが、元々は建築での木材の使い分けが語源でした。適した材木を適したところに使用する。では、柱材にはどんな木が適するか、適する柱材はケヤキ材です。では梁材は?、赤松が非常に適しているといわれています。石垣の一番上(てんば石)の材はどうでしょう、石垣の上は、湿気があるので、水に強い栗材が適していると言われています。繰り返しになりますが、柱材は垂直の状態で上からの重量に耐えることが要求されます。梁は材を横にした状態で上からの重さを受け止めなければなりません。昔の宮大工は試行錯誤をしながら、適材を探したことでしょう。適材適所の言葉に宮大工の知恵と苦労が偲ばれます。そして、本丸御殿は「適材適所」どおりに建造しています。


熊本城には「なぜや不思議」がたくさんありますが、「最大のなぜ」は異常なまでに井戸の数が多いことです。往時は120基以上あったと言われています。なぜ、120基も井戸を掘る必要があったのでしょうか。大変に不思議です。これから紹介する3基は本当に素晴らしい井戸です。熊本城で一番の高石垣は宇土櫓の石垣(約21m)ですが、3基は約2倍の石垣であります。観光客は井戸の深さによく怖いと言われます。では井戸のなにが素晴らしいのか、【①40mの深い井戸の石垣を綺麗に整然と積み上げていること。②井戸の形を円形にするために小さい石を綺麗に割っている。③井戸の水が漏れないように「うちこみはぎ」ではなく、「切込みはぎ」の石垣になっていること。】

この井戸は天守閣の近くの本丸にある井戸です。この井戸の南にも井戸があります。北の小天守の建物の中にも井戸があります。三つとも深さは40mぐらいと言われています。三基とも広くて深い井戸で見応えがあります。この井戸には水がありますが、南の井戸は現在、ガイドが確認できませんが水はあるとのこと。北の小天守の建物の中の井戸には水は溜まってません。令和三年の春には天守閣の建物の中に入れますので、小天守の井戸を見にきてください。熊本城の工事は着々と進んでいます。今しか見られない熊本城の姿を見に来てください。心よりお待ちいたしております。

令和2年10月3日に本丸から大小天守閣を写したものである。小天守側に足場があるが12月21日には無くなった。令和3年の3月には天守閣の工事が終わる。令和3年の4月14日で熊本地震から5年になる。4月26日には大小天守閣の内部に入れるようになる。熊本城全体の修理の完了は2038年の予定であるので、まだまだ長い年月がかかる。しかしながら大小天守閣の修理が終わり、天守閣の内部に入れるようになるのは大きな喜びである。大林組さんはじめ、多くの工事関係のみなさんの頑張りに敬意をあらわすものである。もちろん、熊本城総合事務所、調査研究センターのみなさんの頑張りも忘れてはならない。令和の天守閣は地震に非常に強いと言われている。日本の名城、熊本城に全国から多くの観光客がいらっしゃることを心から祈るばかりである。(大小天守閣の復旧の総工事費はなんとなんと85億円)

 

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